本展は2種類の作品群、「忘却のカタチ」と「未知のカタチ」によって構成されます。これらは1ピースにつき1文字が刷られたジグソーパズルを用いています。パズルの原稿は、雑多な人々が記した日記。 |
バラバラにしたり、組み替えたり、個人的な「記録」である日記を材料に、<記憶の解体>としての「忘却」と、<個別性の解体>としての「未知」を、模式的に作り出します。これは日記に綴られる個人的な日常の物語から、思い入れの引っ掛かりとなる個別性を奪って、物語性を拭い去る試みです。 |
雑多な人々による日記ページを原稿にしたジグソーパズル。本展は、そんな日記パズルからなる2種類の作品によって構成される。日記パズルは、区画ごとに左右対称のパターンを繰り返すおなじ型にて抜かれ、裏ページも再現されている。その為、一見そこにしか収まらいかに見える各ピースも、実際には色々な主人公や日付のあいだで、組み替えが可能。これは僕らの囚われがちな「思い入れ」や「自意識」に対する皮肉。そして、それ故に日常の物語を解体する仕掛けともなる。
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